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ほろ苦いバレンタインデーの思い出

これは私が中学生の頃のほろ苦く、けれど思い出すとあの頃の純粋な気持ちを思い出させてくれるそんな大切な思い出の一つです。
その頃私は長い間片思いしている相手がいました。
クラスも違っていたのでなかなか普段の様子を知れることもなかったので、その彼と同じクラスの女の子から普段の彼の情報を聞いていました。
目だった行動をするわけではないのに、明るく誰とでも仲よく出来る彼の周りにはいつも笑顔が溢れていました。
私の好意はいつのまにか人づてに伝わっており、その為にその輪に入って話をすることも出来なかったのです。
なので、その女の子からの情報は私にとって貴重な彼との繋がりだったのです。
今となっては、何故その子と仲良くなったのか覚えていません。
私は幼いころからこのイベントが好きなのですが、その彼に想いを自ら伝えたことがなかったので、ある日一大決心をすることにします。
バレンタインデーにチョコレートをあげるのです。
その年頃になると、みな手作りしたくなります。
私も見よう見まねで何度か作りましたが、どうにもあげられるような物は出来ませんでした。
慌てて前日の夜に買いに行き、それを渡すことにしました。
情報者の女の子と一緒に彼が登校する時を狙って渡すことを決めていました。
いつもより早く出て、彼の通学路で待ち伏せしたのです。
しかし、いつになっても彼が現れません。
このままでは私たちが遅刻してしまうと思い、ひとまず学校へ向かいました。
すると、玄関で慌ててやってくる彼を見つけたのです。
この日に限って寝坊したようでした。
しかし玄関では人も多いです。
躊躇している私を尻目に、なんとその友人は彼を呼び止めたのです。
結局玄関先で慌ただしく渡したのですが、案の定その光景を見ていた生徒がいました。
彼と同じクラスの女の子です。
その子は教室に行くと皆の前で私が彼にチョコレートをあげた事を言いふらしたのです。
皆からからかわれ、お返しするのかよの問いにも返さないと言ったそうです。
それからはますます彼との距離が広がりました。
その出来事で彼もからかわれて嫌な思いをしているのです。
悲しい気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
そんな状態でしたので、ホワイトデーは何の期待もなく、ただ過ぎてゆくのを待つだけの状態でした。
しかし、翌日のことです。
「ありがとう」の一言と共に彼からのお返しが届いたのです。
それはあの日彼を呼び止めた女の子から渡されました。
その後、彼との関係は何も変わりませんでしたが、そのお返しは何よりのプレゼントでした。
そして後に同じクラスにもなるのですが、その頃には周囲もあの出来事なんて忘れています。
すると他の子と同じように明るく楽しく接してくれました。
それは、私の気持ちを受け止めたうえでの優しさに思えました。
私はいまでも、彼を好きになったことを褒めてあげたいです。
年齢を重ねると若い頃の純粋な気持ちを忘れてしまいがちですが、今の十代の子供たちもきっと同じような気持ちに揺れているはずです。
世代が変わり、その方法や手段は変わったことでしょう。
それでも根底にある想いは同じだと信じて温かく見守りたいものです。

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