プレゼントイメージ

プロポーズは塩の効いたおにぎりの味

この年の誕生日は、どうしても外せない仕事があったので、彼氏がその直前の週末に、ホテルのフレンチディーナーを予約してくれ、一緒に誕生日をお祝いする予定でした。
ところが運悪く、インフルエンザを患ってしまい、私は前日から体調を崩してしまいました。
当然、当日お食事に行くことができなくなってしまったのです。
彼氏は、私を心配して自宅までお見舞いに来てくれました。
そして、私の状態を確認すると、ホテルにキャンセルの連絡を入れたのですが、どうもその電話が長く、また電話を切った後「ちょっと出かけてくる」と高熱に苦しむ私を置いてどこかに出かけてしまったのです。
私は、唖然としながらも、こんな私を放っておく彼氏に怒りを感じ、泣きながら2時間程寝て過ごしたところ、彼氏が再び戻ってきました。
怒り狂う私を尻目に、お米を炊き黙々と何かを作っていました。
しかし、高熱にうなされている私に何も言わず外出した上、2時間も放置する彼氏を許すことができず、彼氏が話しかけてきても完全無視していました。
しばらくすると、彼氏は温かいお味噌汁と、海苔が巻かれたアツアツのおにぎりを作って持って来てくれました。
作ってくれたことは、とっても嬉しかったのですが、先程された仕打ちを許すことができず、頑なに拒否しました。
それでも彼氏が、元気を付けるようにと、おにぎりを私の口に押し込んできました。
その時、おにぎりの中に何かが入っていることに気が付きました。
それは指輪だったのです。
そして、彼氏はその指輪を取り出して「病気の時も、必ず看病するよ。結婚して下さい」とプロポーズをしてくれました。
実は、ホテルのディナーで、ケーキと一緒に渡すお花に指輪を忍ばせていたそうです。
しかし、案の定体調を崩してしまったので、レストランに指輪を取りに行ったのです。
ひどい態度を取ってしまったことを、ひどく後悔し、彼氏に謝り、今度は嬉し涙を流しながら、アツアツのおにぎりを口にほうばりました。
おにぎりは、涙の味と混ざって妙に塩味が効いていたのを、よく覚えています。
その彼氏は、私の旦那さんとなり、病気の時には必ずアツアツの塩味の効いたおにぎりを作って持って来てくれます。

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