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結婚20年目のプロポーズ

今年で結婚20年、世間では銀婚式が25年目で20年目だと磁器婚式と言うものがあるらしいです。
あんまりパッとしない婚式だなと思います。
別に特別なお祝いは無しですがたまには洒落たレストランなんかに連れて行ってくれないかと期待したけど、やっぱり何もありませんでした。
主人はそういう男なんです。
プロポーズだってなかったんです。
あったのですが、それは私の方がしました。
信じられないですよね、女の私の方からプロポーズしたんです。
それも全然ロマンチックじゃない、結婚前に出来ちゃったらしいから2人で病院へ行き、私が「私は産むつもりですが、どうされます」と尋ねると「じゃあそうしましょう」で終わりでした。
それ以外で結婚しようという話は出なかったので、これがプロポーズってことになるんだと思います。
私が思うプロポーズとは、オトコが指輪と花束を持ってひざまずき、とまでは行かなくてもそれなりのムードの中でしてくれるものだったので思い返すとちょっと腹が立ちます。
でももういい加減20年も経つし、今さらどうでもいいことだと思っていました。
ところが、オンナ心と言うものを全く理解していないと思っていた主人が、実はある計画を練っていたらしいのです。
それは、結婚記念日を3日過ぎた私の誕生日の事でした。
この日はちょうど日曜日で、珍しく娘が一緒に買い物に付き合ってと言ったのでそれなりのおしゃれをして外出しました。
いつもは「お母さんダサい」と言って一緒に歩かない娘が、妙に優しくてヘンだなと思っていたのですが、お昼時になり和食が食べたいと言い出してあるお店に入ることになりました。
そこは個室のある結構高そうなお店だったので、入ってすぐに引き返そうかと思ったくらいでした。
ところが、娘は店員に名前を告げて案内させたのでびっくりです。
どうやら予約してあったらしく学生の分際でと腹が立ちました。
でも、娘が一緒だったのはそこまでで、後はよろしくとさっさと店から出て行ってしまいました。
何が何だかわからない私は、個室に通されてまたびっくりでした。
主人がそこにいたのです。
和食のお店なのに、なぜかテーブルには4号くらいのデコレーションケーキがありました。
それも私の好物のバタークリームデコです。
取りあえず主人の向かいに座り、「何か企んでるの」と聞くと「サプライズって言うらいしい」とぶっきらぼうに答えました。
誕生日だからかなと思いましたが、何だか気恥ずかしいので2人で黙々とご飯を食べ始めました。
その後、ケーキは持ち帰って食べるよねと聞くと、主人が何を思ったか手に握りしめていた何かをケーキの上に乗せようとしたのです。
私は反射的に主人の手を掴み私のケーキだと言うと、しばらくの沈黙の後、握った手を広げて見せたのです。
そこには指輪がありました。
ダイヤとかではなくシンプルな物でしたが、誕生日のプレゼントには思えませんでした。
主人がやっと口を開いて、「今までありがとう、これからもよろしく結婚生活」と言ったので、なんだか泣けてきました。
こんなこと言うオトコじゃないんです。
でもしみました。
これがやっと本当のプロポーズ、そう思えて涙が止まらなくて、ごまかすのに苦労した私です。

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