プレゼントイメージ

今になってわかった、祖父がくれた誕生日プレゼントのありがたみ

小さい頃、私の母方の祖父はよく私の誕生日にバースデーケーキをプレゼントしてくれました。
しかし、そのケーキはバタークリームケーキ。
見た目はきれいだけど、私も、私の家族も大嫌いでした。
物心ついた時から、毎年毎年、誕生日に祖父が我が家に来ては、バタークリームケーキをくれます。
もちろん、せっかく誕生日にもらったものですから、捨てるわけにはいきません。
我慢して全部食べました。
私も、みんなの前で無理しておいしそうにバタークリームケーキを食べるふりをするのが、すごくつらかったのを覚えています。
普通の子供は誕生日を楽しみにするものだと思いますが、私はバタークリームケーキを食べさせられるのが嫌で、「誕生日なんか来なければいい」と思っていました。
「普通の生クリームのケーキを食べさせてくれないなんて、おじいちゃんは私に意地悪をしているのか」とも。
そして、小学校三年生の誕生日のことです。
またいつものように祖父がバタークリームケーキを持ってきてくれました。
その時、とうとう私は我慢できず、泣きながら「おじいちゃんがくれるバタークリームケーキ嫌い」と言ってしまいました。
それを聞いて、私の2歳年下の弟も「本当はおじいちゃんのケーキがずっと嫌いだった」と言いはじめました。
私たちの両親は、「そんなことを言ったらおじいちゃんに失礼でしょ」と叱りましたが、祖父は「そうか嫌いだったか。
それならしょうがないな」と笑いながら言いました。
その時の笑いながらも寂しげだった顔が今でも忘れられません。
それから、バタークリームケーキが誕生日に食卓にのぼることはありませんでした。
それから、何年も経ったある日のこと。
学校の帰りに、デパートのケーキ屋でバタークリームケーキが売っているのを目にしました。
思わず懐かしさから購入しました。
そして、家に帰って食べてみると、意外にもおいしい。
あの頃食べたバタークリームケーキとは違って、とてもおいしかったのです。
母に見つかり、「何であんなに嫌いだったバタークリームケーキを食べてるの」と聞かれました。
「おじいちゃんが昔くれたのが懐かしかったから」と答えると、母は祖父がバタークリームケーキを買ってきた理由を教えてくれました。
あの時代は生クリームのケーキなどなく、バタークリームのケーキしかなかったこと。
子供たちはみんな喜んでバタークリームケーキを食べていたこと。
そして、当時はケーキはとても高級品で、本当に特別な日にだけ食べるものであったこと。
話を聞いていて、涙が出ました。
小さい頃、ずっと「意地悪なおじいちゃん」だと思って避けていたことを後悔しました。
そして、今になってバタークリームケーキを買ってくれたことへの感謝の思いがあふれてきました。
私の誕生日を「特別な日」だと思って、バタークリームケーキを買ってきてくれたのだと。

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