プレゼントイメージ

祖母からもらった娘の入学祝い

私には9歳の娘がいます。
その娘が小学校にあがるときに祖母からいただいた入学祝いのことを今でも忘れることができません。
祖母にとって娘は初めてのひ孫でした。
娘が私のお腹にいるときから生まれるのをたいそう楽しみにしており、足が不自由であったにもかかわらず娘が生まれたとき病院まで見に来てくれました。
また娘の七五三や入園式、卒園式にも不自由な足を引きずって見に来てくれました。
足が不自由でも私の両親と一緒に住むのを断り、高齢でも独立心の強い祖母でした。
私も祖母にたいへんかわいがってもらい、また私の娘のこともとてもかわいがってくれました。
高齢でも元気な祖母でしたが、年々体力が少し落ちてきたかなと思うことがありました。
娘に会うために我が家に来ても、疲れたといってすぐに横になったり、夜8時ごろに電話するとすでに寝てしまっていたり。
心配しつつも祖母が一人で生活することを好むため、無理に一緒に住むこともできず私は毎日電話することくらいしかできませんでした。
娘が小学校にあがる年、祖母に入学祝いは何が良いかと尋ねられました。
何か実用的なものを、と私が答えると、祖母にランドセルを薦められました。
年金生活であまり余裕も無いのに、高価なものをお願いしても良いものかと思いましたが、祖母がぜひそうしたいというのでおことばに甘えてお願いすることにしました。
そしてその年の3月の初め、祖母は突然亡くなりました。
誰にも迷惑をかけることなく、祖母の死は突然やってきました。
私は祖母に毎日電話していたのですが、その電話に祖母が出なかったためおかしいと思い祖母の家に行ってみたのです。
祖母は布団の中で眠ったままの状態で息を引き取っていました。
安らかな祖母の死に顔に私はなすすべもなく、ただひたすらおばあちゃん、おばあちゃん、と呼びかけることしかできませんでした。
それからしばらくして我が家に届け物が配達されました。
箱を開けてみるとそれは娘のランドセルでした。
祖母が不自由な足をひきずって、このランドセルを選んでくれたのかと思うと私は涙が止まりませんでした。
娘が毎日背負って学校に通っているランドセルを見るたびに、あのやさしい祖母のことを思い出します。

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