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両親への初めての「告白」

私の両親は共働きで、私は一歳のころから保育園に預けられていました。
夕飯の時間も、家族揃って食べた記憶は殆どなくて、それでもそんな生活が当たり前なのだと幼い私は信じていた気がします。
けれど、小学校に入った頃からお友達と会話する中で私の家は普通と違うのではないかと言う疑問が生まれました。
なぜ、いつも両親は忙しい忙しいと言い私を構ってくれないのだろうか。
私を可愛いとは思っていないのではないかそんな不安が心の中を埋め尽くして行きました。
勿論、運動会など数々のイベントなどにも来られない事も多くてそういう時は私の祖父母が代わりに来てくれました。
祖父母には申し訳ないのですが、自分だけ両親が来れないことを、正直とても寂しく感じていました。
私が小学校4年生の時に弟が生まれました。
10歳離れた弟が、私にはとても可愛くて初めて小さな手のひらを握りしめた時に涙が出そうになりました。
その時に母が、「あなたが生まれた時、お父さんもあなたの手を握ってそれであなたがギュッと握り返してくれたと言って涙を浮かべていたよ」と話してくれました。
私は、その時に自分を可愛いと思ってくれていないのではないかと不安に思ったことを恥ずかしいと感じました。
きっと私が寂しいのと同じくらい、両親だって私と過ごせない時間が寂しかったに違いないと感じたからです。
けれども、それから中学生、高校生になっても両親へ感謝の言葉を口にすることは出来ませんでした。
高三の時、看護士になりたいから看護短大を受けると言った私に、両親は「自分でそう決めたのなら頑張りなさい。」と言いました。
私の母は看護士です。
ずっとその背中を見ていた私が母と同じ道を選択したのは、心のどこかで母を尊敬していたからだと感じています。
そして、短大に合格して実家から引っ越しすることが決まった時に、私は両親へ初めての手紙を書きました。
「今まで育ててくれてありがとうございます。小さい頃は寂しいと思ったこともあったけれど、私はお父さんとお母さんの子供で良かったと思っています。」そんな内容だったと記憶しています。
それが、私から両親への初めての「告白」でした。
それに対して、両親は何も言わなかったけれどいつも温かくて広い心で見守っていてくれました。
だから私は、安心して勉強に励むことが出来たのだと感謝しています。

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