プレゼントイメージ

私が贈った最初で最後のお中元

私は北海道に在住しております。
高校卒業と同時に就職、一人暮らしにも金銭的にも余裕がでてきた3年目になりました。
両親は車で2時間程度で会える距離にいますが、母親側の祖母が埼玉に住んでおり、中学3年の冬以来会えないでいました。
父親側の祖父祖母、母親側の祖父は亡くなっており、私には唯一の祖母です。
しかし、仕事の都合上連休が難しいため、人生で初めて祖母にお中元を贈ることにしたのです。
北海道の夏、旬といえばメロンでしょう。
夕張メロンが有名ですが、私の家族は祖母も含めて赤肉ではなく青肉のメロンが好きなので、私が現在暮らしている地域には、おいしく有名な青肉のメロンがあることを知ったので贈ることにしました。
高級品ですから、それ相当の値段はしましたが、おいしいものを食べてもらいたいと思い、メロンの箱の中にこれまでの出来事や近況、私の写真を封筒に入れて発送させていただきました。
本当はできないようですが、地元産地であることや事情を踏まえて、お店の方や農家さんに寛大に対応していただきました。
田舎だからできることかもしれません。
数日後、祖母から電話がありました。
メロンに対する感謝の言葉をもらったのはよかったのですが、メロンが切れなくて困っているとのことでした。
メロンには食べごろがあり、数日して若干柔らかくなるころに甘い香りがして食べごろになります。
北海道では当たり前のことだったのですが、枝のついたメロンを自分で食べるのが初めてだった祖母はわからなかったのです。
その電話から数日後、また電話があり、とてもおいしかったとのことです。
私が最後に埼玉で祖母と遊んだときの思い出を懐かしがって話してくれましたし、孫である私自身の成長を感じられたことが安心で何よりうれしいと言われ、涙が溢れました。
とてもうれしかったので、また来年も贈るよって約束もしたのです。
しかし、その約束はもう守れなくなってしまいました。
その夏から翌年の春先に心筋梗塞で亡くなってしまったのです。
約7年ぶりに葬儀のため埼玉に行くことができましたが、大好きだった祖母がいない寂しさと、それまでにメロンしか贈ってあげられずに成長した姿を見せられなかった悔しさだけが残りました。
それ以来、会社にお願いしてメロンが旬になる夏に連休をもらい、祖母に贈ったものと同じメロンをもって毎年必ず埼玉にあるお寺に行き、1年間の報告とこれからの目標を宣言します。
祖母も天国から応援してくれてると思います。
これが、祖母に贈った最初で最後のお中元です。

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